1 黄金の三日間とは?
始業式からの最初の三日間を黄金の三日間という。この三日間はどんなやんちゃくんでも素直である。だからこそ、教師としての方針を伝え、一年間のクラスのルールや仕組みの大部分を決める必要がある。TOSS代表の向山洋一氏は次のようにも言っている。
最初の三日間、これはその後の一年間を左右する重要なときである。最初の三日間に、学級をきちんと組み立てれば、その後はうまくいくであろう。 最初の三日間、のほほんとくらせば、見るも無惨、聞くも悲惨な学級になるだろう。 向山洋一著『教え方プロ・向山洋一全集4 最初の三日で学級を組織する』 |
黄金の三日間でいかに学級づくりをしていくかは、その学級の一年を左右すると言っても過言ではない。
2 黄金の三日間にすることとは?
黄金の三日間ですべきことは大きく分けて3つである。
(1)教師の方針を示す。 (2)生活のルールづくり (3)学習のルールづくり |
(1)教師の方針を示す。
教師の方針、それは教師の願いである。どんな学級にしていきたいのか、どんな子どもたちに育ってほしいのか、所信表明する。例えばなぜ学校に来るのか?
①学校は、賢くなるために来ます。 ②学校は、友達と仲良くなるために来ます。 |
また、先生が叱る時についても話しておく。
①命に関わる時 ②何度注意しても、直そうとする気持ちがない時 ③人の不幸の上に幸せを築いた時 (低学年→友だちをわざと傷つけた時) |
このようなことは黄金の三日間だから子どもたちの記憶に残る。そして、一年間クラスの学級経営の支えとなる。何かあった時はいつでもこの指針に戻ってくることで、ぶれない学級経営をすることができる。
(2)生活のルールづくり
子どもたちが生活する上で必要なルールはたくさんある。朝の会のやり方から始まり、忘れ物をした時のルール、給食、掃除など子どもたちが生活する上で、決めておくべきことは山ほどある。イメージとしては、『教師が一日いなくても子どもたちだけで生活できる仕組み』が必要である。そのようなルールは決して思いつきで決めてはならない。なぜなら、一度決めたことを直すのにはかなりの労力を要するからだ。だからこそ、教師にとっても子どもたちにとっても一番有効な方法を考え選択する必要がある。
(3)学習のルールづくり
学習のルールも黄金の三日間でしたいことの1つである。では、三日間のいつやるのか?それは授業の中である。授業をやりながら、1つ1つ丁寧に教えていかなければならない。ノートの書き方、発言の仕方、話の聴き方など、たくさんのことがある。それらを優先順位を決めながら教えていく。この際、決して忘れてはならないのが、趣意説明である。なぜ、そうしなければならないのかを伝えることで、子どもたちは納得して取り組む。しかし、これをない状態でやらせると、その時は問題ないが後々不平不満が出てくる。特に高学年では丁寧にやっていく必要がある。
3 黄金の三日間ノートを作る
黄金の三日間について何となく意識している程度では学級崩壊までまっしぐらである。やはり、意識したことや黄金の三日間で自分が大切にしようと思うことはノートにまとめていく必要がある。私は初任から5年間ずっと黄金の三日間のノートを作り続けている。このノートは黄金の三日間を乗り切るだけでなく、一年間を支える基盤となっている。詳しい内容は割愛するが、黄金の三日間に関する本やセミナーでの学びをもとにしながら、三日間についての詳細な計画を立てることで安心して学級がスタートできる